おとなたちの絵本部屋 in オリオン・ノルテ 6月レポ
記・隊員1号(イーダ)
3度目の復活! おとなたちの絵本部屋 №2(通算83)
6月-24(木) 25(金) 28(月) 29(火)
テーマ マーガレット・ブロイ・グレアムさんの絵本 参加人数17名
●Margaret Bloy Graham (1920- )
1920年、カナダ・トロント生まれ。父が療養所の所長をしていたため、1歳のとき静かな古い街に移り、自然と親しむ。10歳のときトロントに戻り美術を学ぶ。トロント大学の美術史の学士号を取り、その後、ニューヨーク大学とニュー・スクール・ソシアル・リサーチで学ぶ。その後、キブズ&コックス社で製図工を勤め、1948年ジーン・ジオンと結婚。1956年までコンド・ナスト出版社でデザイナーとして活躍した。1952年『あっ 落ちてくるふってくる』でコルデコット・オナー賞を受賞。1953年にも『あらしの日』で同賞を受賞している。夫との共同制作のほかに自作の絵本もある。アメリカ・マサチューセッツ州在住。
■絵本部屋
代表作『どろんこハリー』でおなじみの、ジオン氏とのご夫婦共作が多いグレアムさん。今回、絵本部屋を実施するにあたり、お二人が1968年に離婚されていたことを初めて知りました。ショック! お二人の本をながめるたびに、勝手に夫婦愛を感じていたのに(製作時には夫婦愛は存在していたのかもしれませんが)。グレアムさんは1972年に再婚し、ジオン氏は1975年に亡くなっています。グレアムさんは御年90歳!
ほとんどの絵本が1970年代までに出版されているので、レトロ感たっぷりの、ちょっと昔のアメリカの家庭をのぞいているような、そんな気分にさせてくれます。
日程によって、じっくりみんなで輪読する絵本を変えてみましたが、どれもほのぼのと、楽しく読むことができました。
時代のせいもあるのか、3色刷りの絵本が多いのですが、『どろんこハリー』は、すでに洋書ではカラー版がコンプリート版として出ています。それを見たときには、個人的に少なからずショックでしたが、グレアムさん自身が色をつけなおしたとのこと。
でも、やはり時代背景をもあらわす少ない色づかいがいいと思うのですが、画家さんとしては、今だからこそできることをしたいのかもしれません(想像ですが)。読者としては、一番初めに出合ったものが印象深くなるのは仕方がありません。その溝は埋まらないものなのかもしれません。
ハリーシリーズの訳を原書と比較してみたり、『ヘレン~』の絵本の誤植を発見したり、ヘレンの夫は誰なのか想像したり、『ベンジー~』シリーズの「いぬごや」の表紙になぜベンジーの白目がないのか、ストーリーだけでなく彼女の絵から察するにネコ派でなくイヌ派なのではないか?など細かいことも突っついてみたりして、オトナならではの読み方ができたのではないかと思います。
■おもちゃであそびタイ!ム
前月のカードゲーム「カーケラーケンポーカー」で遊び足りなかった気がしたので、2ヵ月連続で遊んでみました。
今回はみなさんルールの飲み込みが早く、作戦をたてながらゲームを進めることができたような気がします。
それにしても、ゴキブリやカメムシ、サソリやネズミなど忌み嫌われるものをオモチャにするなんて、発想がすばらしー!
■イーダのつぶつぶ焼き
『どろんこハリー』は有名ですが、ハリーの他の本や、グレアムさんのハリー以外の本は意外に知られていないのでは?と思い、テーマを決めてみました。
そうしたら、7月発売の雑誌「月刊MOE」で、グレアムさんのことが記事になっていて、ハリーの原画も掲載されていました(スミ一色です)。わずかなタイミングのズレで、そのことを紹介できなかったのが残念。取り上げるのがちょっと早すぎたかしら。
グレアムさんの絵本は、アメリカでの発行順番と、日本での邦訳発行の順番が全然一致しないので、絵を時代の流れでみるのがとてもややこしく、そのへんが難しかったです。と同時に、なぜ日本での出版が前後することになったのかも想像できて楽しいとも言えるのですが。
時間の関係で、グレアムさん自身がお話も手がけている『ベンジー~』のシリーズをじっくり読むことができませんでした。ぜひ一度じっくりご覧ください。
| 固定リンク
「出前・絵本部屋 ~レポート」カテゴリの記事
- おとなたちの絵本部屋 vol.104 2013年11月 レポ(2013.11.30)
- おとなたちの絵本部屋 vol.103 2013年10月 レポ(2013.10.31)
- おとなたちの絵本部屋 vol.102 2013年9月 レポ(2013.09.30)
- おとなたちの絵本部屋 vol.101 2013年6-7月 レポ(2013.07.31)
- おとなたちの絵本部屋 vol.100 2013年5月 レポ(2013.05.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント